寝ている間にコップ1杯の汗をかくって本当?
ー 眠っている間の水分の話 -
「人は寝ている間に、コップ1杯分の汗をかく」
こんな話を聞いたことはありませんか?
よく耳にする言葉ですが、ふと疑問に思うことがあります。
一晩寝ている間に、本当にコップ1杯分もの汗をかいているのでしょうか?
暑い日に運動をすれば、額や背中に汗をかきます。
しかし、寝ている間は、必ずしも目に見える汗を
たくさんかいているわけではありません。
それなのに、身体から水分が失われているとは、
どういうことなのでしょうか。
今回は、眠っている間の汗や水分について、
そして寝具との関係についてお話しします。
1.寝ている間、身体からどんな水分が出ているの?
まず知っておきたいのは、身体から失われる水分には、
いくつかの経路があるということです。
大きく分けると、次の3つがあります。

① 目に見える汗
暑いときや、身体が熱を持ったときに、汗腺から汗が分泌されます。
汗には、蒸発するときに身体の熱を奪い、体温を下げる働きがあります。
寝ている間も、室温や寝具の保温性などによって身体が暑くなれば、汗をかきます。
ただし、汗の量には個人差があり、季節や室温、湿度などによっても変わります。
② 皮膚から、気づかないうちに失われる水分
実は、目に見える汗をかいていなくても、皮膚からは少しずつ水分が失われています。
こうした、発汗以外の皮膚や呼気からの水分喪失は、医学的に「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」と呼ばれます。
皮膚から失われる水分は、必ずしも汗腺から分泌された汗ではありません。
そのため、汗をかいているという実感がなくても、身体から水分は出ているのです。
③ 息とともに出ていく水分
もう一つ忘れてはいけないのが、呼吸です。
私たちは、息を吐くときにも水分を外へ放出しています。
寝ている間も呼吸は続いているため、皮膚だけでなく、呼吸を通じても水分が失われています。
つまり、寝ている間に身体から失われる水分は、目に見える汗だけではないのです。
2.では、「コップ1杯分の汗」という表現は間違いなの?
必ずしも間違いとはいえません。
睡眠中には、目に見える汗だけでなく、
皮膚や呼吸を通じても水分が失われています。
一般的に使われる「コップ1杯分」という表現は、
睡眠中に失われる水分をイメージするための
目安として理解するとよいでしょう。
ただし、ここで注意したいのは、
「身体から失われる水分」と
「目に見える汗」は同じではないということです。
すべての人が、毎晩決まった量の汗をかくわけではありません。
室温や湿度、体質、寝具、パジャマなどによっても、水分の失われ方は変わります。
そのため、「寝ている間にコップ1杯分の汗をかく」という言葉だけを聞くと、誰もが目に見える汗をその量だけかいているように誤解してしまうかもしれません。
実際には、汗をかいている実感がなくても、身体からは水分が少しずつ失われているのです。
3.そもそも、なぜ寝ている間に汗をかくの?
それでは、なぜ眠っている間にも汗をかくのでしょうか。
大きな理由の一つは、体温調節です。 
私たちの身体は、眠りにつくとき、深部体温(身体の内部の温度)を下げていく仕組みを持っています。
そのため、手足などから熱を放出しやすくなり、状況によっては発汗も起こります。
汗が蒸発するときには熱が奪われるため、体温を下げる助けになります。
つまり、汗をかくこと自体は、身体が温度を調節するための自然な働きなのです。
一方で、寝室が暑すぎたり、掛け布団が厚すぎたりすると、身体から熱が逃げにくくなることがあります。
すると、身体は熱を放出しようとして、より多くの汗をかく場合があります。
また、湿度が高い環境では汗が蒸発しにくくなり、身体の熱を逃がしにくくなることもあります。
気持ちよく眠るためには、単に暖かくするだけでなく、身体が熱を放出しやすい環境を整えることも大切です。
4.汗をかくことよりも、寝床に湿気がこもることに注目してみましょう
ここまで、眠っている間の汗や水分についてお話ししてきました。
では、寝具を選ぶときには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
大切なのは、汗や水分を吸収することだけではありません。
吸収した水分を外へ逃がし、寝床の中に湿気がこもりにくい環境をつくることも重要です。

例えば、次のような点に注目してみましょう。
● 吸湿性: 汗などの水分を吸収する働き
● 放湿性: 吸収した水分を外へ逃がす働き
● 通気性: 空気が通り抜けやすい性質
これらの性質は、素材や構造によって異なります。
また、どの寝具が適しているかは、季節や寝室の環境、
暑がり・寒がりといった体質によっても変わります。
寝具は、暖かければよい、柔らかければよいというものではありません。
自分に合った寝具を選び、寝床の温度や湿度を適切に保つことが、
快適な睡眠環境づくりにつながります。
5.寝具の湿気対策は、日々のお手入れも大切です

どれだけ吸湿性や放湿性に優れた寝具を選んでも、
使い方やお手入れによって状態は変わります。
例えば、起床後すぐに掛け布団をきれいに畳んでしまうのではなく、
しばらく広げて湿気を逃がすことも一つの方法です。
また、寝具の素材や洗濯表示に合わせて、適切に乾燥させたり、
定期的にお手入れしたりすることも大切です。
敷き布団やマットレスについても、製品に合った方法で
湿気対策を行いましょう。
ただし、すべての寝具を同じ方法でお手入れできるわけではありません。
素材や構造によって適した方法は異なりますので、
取扱説明書などを確認することをおすすめします。
まとめ|気持ちよく眠るために、寝具の湿気にも目を向けてみませんか?
「寝ている間にコップ1杯分の汗をかく」
よく聞く言葉ですが、実際には、目に見える汗だけでなく、
皮膚や呼吸を通じても水分が失われています。
そして、眠っている間に汗をかくのは、身体が体温を
調節するための自然な働きでもあります。
だからこそ、寝具を選ぶときには、暖かさや寝心地だけでなく、
吸湿性・放湿性・通気性にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
毎日使う寝具だからこそ、自分の身体や寝室の環境に
合ったものを選ぶことが大切です。
「今使っている寝具が自分に合っているのかわからない」
「寝ていると蒸れる感じがする」
「朝起きると寝具が湿っている気がする」
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