2026年8月21日(金)

なぜウレタンマットレスが増えたの|歴史|

連載コラム:ウレタンマットレスを知る|歴史・素材・選び方

第1回|歴史|なぜウレタンマットレスが増えたの?

― 敷き寝具の歴史から「選び方」を考える ―

最近、マットレスを探していると、

● 高反発マットレス
● 低反発マットレス
● 体圧分散マットレス
● 凹凸構造のマットレス」

など、さまざまな商品を目にします。

その中でも、現在とても身近になっているのがウレタン素材を使ったマットレスです。

では、なぜウレタンマットレスは、これほど増えたのでしょうか?

実は、今のように「ウレタン1枚で眠る」という使い方が、最初から当たり前だったわけではありません。

今回は、昔の敷き寝具から現在のウレタンマットレスまで、その変化をたどりながら、**「なぜ今のマットレスは、このような形になっているのか?」**を考えてみたいと思います。


昔の日本では「綿ふとん」が中心でした

昔の日本の寝具といえば、綿の敷きふとんが代表的でした。
畳の上に敷き、使わない時にはたたんで収納する。
そんな「ふとんの生活」が長く続いてきました。

綿ふとんには、

● 汗や湿気を吸いやすい
● ふっくらとした寝心地
● 保温性がある
● 使い続ける中で仕立て直しができる

など、日本の生活に合った良さがあります。

もちろん、現在でも綿ふとんを選ぶ方はたくさんいます。

つまり、
「昔は綿ふとん、今はマットレス」という単純な優劣の話ではありません。

生活スタイルや住環境、そして「どんな寝心地を求めるのか」が変化する中で、敷き寝具の選択肢も増えていったのです。


そこに登場した「ウレタン」

そんな敷き寝具の世界に登場した素材の一つが、ウレタンフォームです。

現在では「ウレタンマットレス」と聞くと、
「これ1枚で寝るもの」
というイメージが強いかもしれません。

しかし、昔のウレタンマットレスには、
綿ふとんの下に敷いて使う
という役割を持つものもありました。

床から伝わる冷えを防いだり、
敷きふとんの寝心地を補ったりするための、
いわば**「ふとんを支える下敷き」**のような存在です。

つまり、
ウレタン=最初から「1枚で眠るマットレス」だったわけではない
のです。


「下に敷くもの」から「1枚で眠るもの」へ

そこからウレタンマットレスの役割は、少しずつ変わっていきます。

ウレタンフォームには、
硬さ・厚み・密度・反発性などを変えられる
という特徴があります。

さらに大きな特徴が、
「形そのものを変えやすい」
ということです。

表面を平らにするだけではなく、

● 凹凸をつける
● 部分によって形状を変える
● 厚みや構造を変える

こうした加工によって、
「ただ体を受ける」だけではなく、「どのように体を支えるか」を設計できる
ようになりました。

そして、ウレタンは「綿ふとんの下に敷くもの」から、
「これ1枚で眠るためのマットレス」
へと、その役割を広げていきます。


ウレタンだからできた「形」の工夫

ここが、現在のウレタンマットレスを理解するうえで、とても重要なポイントです。

マットレスというと、
「柔らかいか、硬いか」
だけを考えてしまいがちです。

しかし、ウレタンでは、
「どのような形にするか」
によっても寝心地を変えることができます。

例えば、

● 表面に凹凸をつけることで、体との接触の仕方を変える
● 体の一部分にかかる圧力を分散させる
● 体の重さを受け止めながら、沈み込み方を調整する

このように、
「素材」+「形状」
を組み合わせることで、寝心地を設計するという考え方が生まれていきました。


「凹凸構造」のマットレス

その代表的な考え方の一つが、
「凹凸構造のマットレス」
です。

マットレスの表面に凹凸をつけることで、
体との接触の仕方を変え、体圧を分散させたり、
寝心地を調整したりすることができます。

このような凹凸構造を取り入れたマットレスには、

● ムアツ
● 整圧
● AiR

などがあります。

もちろん、それぞれ構造や素材、硬さ、凹凸の形状などは異なります。

大切なのは、
「凹凸があるから良い」
と単純に考えることではありません。

「どのような形にして、体をどのように支えるのか」
という設計思想があることです。


「点で支える」という発想

凹凸構造のマットレスを語るうえで、興味深いのが「ムアツ」です。

ムアツは1970年代に開発され、
病院での床ずれ(褥瘡)対策をヒントに生まれた敷き寝具です。

体を大きな「面」で支えるのではなく、
凹凸のあるウレタンフォームによって、
「点で支える」
という考え方を取り入れました。

これは、ウレタンという素材の特性だけではなく、
「形を工夫することで、体への当たり方を変える」
という発想の一例です。

そして現在では、
凹凸の大きさや形、配置、ウレタンの硬さなどを組み合わせ、
さまざまな寝心地を考えたマットレスが作られています。

つまり、ウレタンマットレスの進化は、
「新しい素材が登場した」
というだけではありません。

「素材をどのような形にして、どのように体を支えるか」
という、寝具の設計そのものが変化してきたのです。


では、ウレタンなら何でも同じ?

ここまで読んで、
「じゃあ、ウレタンマットレスならどれを選んでも同じなの?」
と思われるかもしれません。

もちろん、そんなことはありません。

同じウレタン素材を使っていても、

● 硬さ
● 厚み
● 密度
● 反発性
● 凹凸の形状
● 構造
● 体の支え方

によって、寝心地は変わります。

さらに、同じ人でも、
● 仰向けで寝ることが多い
● 横向きで寝ることが多い
● 寝返りをよくする

など、寝姿勢や体の特徴によって合うマットレスは変わります。

だからこそ、
「高反発だから良い」
「低反発だから体圧分散に優れている」
というように、一つの特徴だけでマットレスを判断するのは難しいのです。


マットレス選びは「素材」だけで決めない

ウレタンマットレスが増えてきた背景には、
「ウレタンという素材が優れているから」
という一つの理由だけではありません。

● 硬さや反発性を変えられる
● 厚みを変えられる
● 密度を変えられる

そして、形状そのものを変えることができる。

こうした特徴を組み合わせることで、
一人ひとりの体や寝姿勢に合わせた
「寝心地」を設計できる可能性が広がった
ことが、現在のウレタンマットレスの発展につながっています。

昔は綿ふとんの下に敷く役割を持っていたものが、
今では「これ1枚で眠る」マットレスへ。

そして、ただ硬い・柔らかいだけではなく、

● 体をどう支えるか
● どのように体圧を分散するか
● どのように寝返りをサポートするか

まで考えて作られるようになりました。


まとめ

ウレタンマットレスは、最初から現在のような形だったわけではありません。

綿ふとんを中心とした日本の敷き寝具の中で、
「ふとんの下に敷くもの」
として使われるところから、
「1枚で眠るマットレス」
へと役割を広げてきました。

そして、ウレタンの
「硬さ・厚み・密度・反発性を変えられる」
という特徴に加えて、
「形状そのものを工夫できる」
という特徴が、現在のさまざまなマットレスにつながっています。

凹凸構造のマットレスも、その一つです。

「ムアツ」「整圧」「AiR」など、それぞれに異なる設計があります。

だからこそ、マットレスを選ぶときは、
「ウレタンだから良い」
ではなく、
「このマットレスは、どのように体を支えるために作られているのか?」
と考えてみることが大切です。

次回は、ウレタンマットレスを選ぶときによく目にする、
「高反発」と「低反発」
について考えてみます。

そもそも「反発」とは何なのでしょうか?

そして、
高反発なら誰にでも合うのでしょうか?

次回は、そんな「高反発・低反発」の違いを、できるだけ分かりやすく解説します。


関連記事

※この連載と直接つながる公開済み記事が増えてきた段階で、ここに追加していきます。

現時点では、無理に関連記事を増やさず、「マットレス選びの新常識」シリーズの連載そのものを関連記事としてつなげていく形がおすすめです。


ひとこと

マットレスを選ぶ時、
「硬い方がいいですか?」
「柔らかい方がいいですか?」
と聞かれることがあります。

でも、本当はそれだけでは決められません。

マットレスは、ただ「硬い・柔らかい」で選ぶものではなく、
自分の体を、どのように支えてくれるのか
を見ることが大切です。

今では、ウレタンの硬さだけでなく、
形や構造まで工夫されたマットレスがたくさんあります。

だからこそ、
広告に書かれた「高反発」「体圧分散」といった言葉だけで決めない。

実際に寝て、
「自分の体はどう感じるのか」
を確かめてみてください。

マットレスは毎晩使うものだからこそ、
「人気の商品」ではなく、「自分が気持ちよく眠れる商品」を選んでほしい。

それが、私たちが大切にしているマットレス選びです。

【ふとんの新保】

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ふとんの新保

ふとんの新保は創業90余年、新潟の老舗寝具店です。 ふとんの新保は創業90余年、新潟の老舗寝具店です。

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ふとんの新保では、毎日の眠りに大切な寝具を、体型・体質・寝返りなど、あなたがグッスリ眠れるようご提案しています。 さらに販売して終わりではなく、1・3・5・10年と末永く良い状態で使用していただくためのメンテナンスにも力を入れています。